パレスチナ学生基金とは

パレスチナ/イスラエルの地で紛争が起き、現在に至る占領と難民化の問題が始まって60余年が経過しました。「パレスチナ学生基金」はこれらの地域や隣接国を対象として研究や活動に携わってきた有志により2010年4月に設立されました。
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調査や活動の過程で、日頃は協力を受けて学ばせていただくことの多い人々に対して、日本からできることを模索し関わっていく過程を通して、さらに理解を深めていきたいと考えています。小さな支援であっても続けることで、ひとりでも多くの難民の学生が経済的に自立し社会で活躍していけるようにと願っています。

パレスチナ学生基金は、主な活動として「ガザ難民奨学金プロジェクト」 を実施しています。


支援対象について

「ガザ難民奨学金プロジェクト」は、ヨルダン国内に住むガザ難民の学生を対象に、高等教育を受けられるよう支援するプロジェクトです。大学に通うための奨学金をUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を通して無償で提供しています。


ガザ難民とは?

現在ヨルダンに住むパレスチナ人は、政府の政策によりその大半がヨルダン国籍をもち、国民としての権利を受給しています。しかし1948年戦争(第1次中東戦争)の際にガザ地区へ移動し、 1967年戦争でヨルダンへ移動したパレスチナ人(「ガザ難民」と呼ばれます)には、 例外的にヨルダン国籍の取得が認められていません。
彼らは現在無国籍という状態に置かれているため、就業に厳しい制限があります。その一方で国籍がないために、外国人として高額の授業料を大学に支払わねばなりません。
一般にヨルダンのパレスチナ人は、他の国に住むパレスチナ難民と比べて恵まれた環境にあると言われます。ですが少数派であるガザ難民の存在は、あまり知られていません。 彼らの存在は、この地域で長く続く紛争やそれを受けた周辺地域の抱える問題の縮図ともいえます。

→より詳しい説明はこちらをご覧ください。

組織構成

「パレスチナ学生基金」は、イスラエル/パレスチナおよびその隣接国を対象とする大学の研究者や大学院生、 国際協力NGOのメンバーらを中心に結成されました。
日頃は調査や活動などで関わり、協力を頂くことの多い地域や人々に対して、 奨学金プロジェクトを中心とした支援活動を通して新たな接点を持ち、少しでも貢献することができればと考えています。
また支援を通してこの地域における紛争の影響や根深さについて理解をさらに深め、構造化した問題の一側面に光を当てていくことができればと願っています。

理事 長沢栄治
(理事長・東京大学東洋文化研究所教授)
臼杵陽
(副理事長・日本女子大学文学部・同大学院文学研究科教授)
錦田愛子
(理事/事務局長・東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
立山良司
(理事・防衛大学校名誉教授)
藤屋リカ
(理事・慶應義塾大学看護医療学部専任講師)
監事 清水学
(元帝京大学教授)
賛同人
飯塚正人
(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
鵜飼哲
(一橋大学大学院言語社会研究科教授)
岡真理
(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
川上泰徳
(朝日新聞編集委員)
北澤義之
(京都産業大学外国語学部教授)
木村正俊
(法政大学法学部教授)
小杉泰
(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)
近藤信彰
(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
島崎淳
(共同通信カイロ支局長)
店田廣文
(早稲田大学人間科学学術院教授/日本中東学会事務局長)
奈良本英佑
(法政大学経済学部教授)
平山健太郎
(元NHK解説委員/白鴎大学総合研究所客員教授)
福田邦夫
(明治大学軍縮平和研究所所長)
山崎望
(駒澤大学法学部専任講師)
湯川武
(早稲田大学イスラーム地域研究機構教授)
(肩書は設立当時)

組織の定款はこちらをご覧ください。