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ガザ支援船団 襲撃事件について

封鎖状態が続くガザ地区に向けて、救援物資を運んでキプロス島を出発した 船団が、5月31日深夜、イスラエル軍によって急襲されました。 船団に乗り込んだイスラエル軍の部隊は、支援団の民間人に向けて発砲し、 9名の死者と60名を超える負傷者が出ました。 支援船団への攻撃はもとより、そもそもガザ地区においては人道危機は 存在せず、外部からの支援物資の搬入は不要だと主張してきた イスラエル政府の立場は、納得しがたいものがあります。 学生基金では本事件に関わる情報を、可能な限り広範かつ多面的に集積し、 公開していきたいと考えています。


事件の概要と推移

《直前の動き》
2010年5月20日 -アメリカの中東特使ジョージ・ミッチェルが間接交渉の仲介でネタニヤフ首相と会談。 会談後、首相報道官は「信頼醸成のための可能性を探る」と語るが、具体的内容には触れず。
2010年5月22日 -アッバース大統領が、西岸地区のユダヤ人入植地産品のボイコット(ファイヤード首相が主導)を公式に支持。
2010年5月25日 -トルコ外相、国連会合の記者会見で、「ガザへの封鎖は解除されるべき」と発言。
-イスラエル、ガザ地区へと向かう9隻の船舶(約700人の活動家が乗船)の進路を食い止めると警告。
-イスラエル政府の消息筋は船舶の企画者に許可のおりた境界から物資をガザ地区に運び入れるようにと提案をしたと述べるが、 企画者自身はそのような提案の存在を否定。 《ハアレツ》の記事
5月26日 -イスラエル、ガザ支援船団の食い止めを閣議決定。
-船舶をアシュドットに停泊させ、活動家は逮捕、物資は国連経由でガザへとの方針。 《ハアレツ》の記事
-オバマ米大統領が間接交渉のため、ネタニヤフ首相とアッバース大統領を訪米に招待。ネタニヤフ首相の訪米は6月1日に予定される。
5月27日 -「自由ガザ運動」の広報担当グレタ・ベルリン氏は、船団は予定通り航行するとの予定を述べる。
-イスラエル外務省のヨシ・ガル次官(Director General)は「われわれは、このような無益なたくらみを止めるよう説得を続ける」と語る。(Reuters)
-キプロスは、ガザ支援船団がキプロスの領海内に停泊し続けることを認めない旨を発表。イスラエル外相の働きかけに応じたもの。(Y-net News)
-ガザ地区に向かっている船舶の活動家たちが、捉えられている兵士ギラド・シャリットに宛てた小包と手紙の運搬を拒否。 《ハアレツ》の記事
5月28日 -国連本部で開かれていたNPT(核拡散防止条約)再検討会議が、3週間の会期を終えて閉幕。
2012年に「中東非核化」構想などをめぐる国際会議の開催を決定。イスラエル、パキスタン、インドにNPT加盟を求める。 《ハアレツ》の記事

《拿捕、その後の動き》
5月30日 -6隻のガザ支援船団がキプロスから1日遅れで出港《BBC》の記事
5月31日 -市民団体により組織されたガザ支援船団6隻がキプロスで集合、ガザ地区へ向かい出航。
貨物船4隻を含み、IHHがチャーターした600人乗りの客船が先導。水浄化セット、医療機材、プレハブ住宅、セメント等計1万トンが積荷。
-午前3時頃 ガザ近郊の公海上で、イスラエル軍の突撃部隊が船団を拿捕。
-そのうちの一隻「マビ・マルマラ(Mavi Marmara)号」(トルコ船籍、約600名が搭乗)に乗り込んだ軍は実弾を発砲し、 支援団のトルコ国籍の9名(うち一人はアメリカと二重国籍)が死亡。

-拿捕の様子についてイスラエルの人権団体「アダラ」のザヘル弁護士が証言を公開。
-拿捕の様子について、乗船していたイギリス人活動家らがインタビューで証言。
-船はアシュドッド港に曳航され、乗船した全員が拘束される。